睡眠の仕組み

 

睡眠の仕組みを理解するうえで、まずは「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」について知る必要があります。“目を覚まし起きている状態”のことを医学用語では「覚醒」と言います。普段、仕事や食事のとき、人間は覚醒した状態です。

 

そして、眠りに就きます。このとき、眠りの状態を左右しているのが「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」です。レム睡眠とノンレム睡眠のメカニズムを知ることで、睡眠の仕組みを理解することが可能となります。

 

 

レム睡眠とは?

 

レム(REM)とは、英語で“Rapid Eye Movement”のことを言い、寝ているにもかかわらず眼球が活発に動いている状態を表しています。レム睡眠の特徴は、眠りが浅く、脳が覚醒に近い状態です。このことからRapid Eye Movement sleepと名付けられました。

 

寝ている人の瞼(まぶた)を開いて、眼球がキョロキョロと動いていればレム睡眠の状態です。寝ているにもかかわらず眼球が動いているのは、脳が活動している証拠です。かといって、覚醒しているわけではありません。性質上は睡眠です。

 

眠りが浅く、夢を見ている場合など、レム睡眠の時間帯と言えます。また、頻繁に寝返りをうつなどの状態も確認できます。レム睡眠のメカニズムは、過去の記憶や感情を整理し、記憶を固定したり消去したりしています。

 

そのため、レム睡眠のときに見た夢は覚醒してからでも覚えています。これは、レム睡眠のメカニズムが作動し、記憶や感情を固定したためです。朝起きて、夢をはっきり覚えている場合にはレム睡眠の比率が高かった証拠です。

 

そういったメカニズムから、試験勉強中の学生や物事を覚える際には、レム睡眠が効果的だと言われているのです。深い眠りの学生とレム睡眠を実施している学生を比べると、レム睡眠を実施している学生のほうが記憶力に優れているといったデータ※もあるほどです。

 

※滋賀大学教育学部(滋賀医科大学)発行の睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」と「快眠ライフと睡眠学」より参照

 

 

ノンレム睡眠とは?

 

ノンレム睡眠は、“脳が眠っている状態”を表します。つまり、レム睡眠ではない状態を言います。眼球が動いている状態を表したRapid Eye Movement sleepの反対語として、“non Rapid Eye Movement sleep”と名付けられています。

 

ノンレム睡眠は、眠りが深い状態です。ノンレム睡眠の最中は、多少の物音では目が覚めません。瞼(まぶた)を確認しても、眼球が動いていることはほとんどありません。眼球が動いていないのは、脳が活動していないためです。

 

脳も身体も休んでいる状態で、睡眠本来の姿となります。ノンレム睡眠のメカニズムは、筋肉や皮膚などといった身体の組織や機能を休ませ、体力の回復に努めています。ノンレム睡眠の役割は、成長ホルモンの分泌を活発にすることです。

 

ノンレム睡眠の最中に成長ホルモンが分泌され疲労回復や免疫力の向上を促進し、身長や体力の発達など成長期の身体作りには欠かせない大切な要素です。体力を回復するためには、ノンレム睡眠が必要不可欠となります。

 

また、ノンレム睡眠は“眠りの深さ”に応じて4段階に分類されます。これを、「ノンレムステージ(non Rapid Eye Movement stage)」と言います。ステージ1から4へと段階が進むにつれて眠りが深いといった特徴があります。

 

■ノンレムステージ4・・・眠った状態から1~2時間後(眠りが特に深い)

■ノンレムステージ3・・・眠った状態から2~3時間後(眠りが深い)

■ノンレムステージ2・・・眠った状態から4~5時間後(眠りが浅くなってくる)

■ノンレムステージ1・・・眠った状態から5~6時間後(レム睡眠に近い状態)

レム睡眠とノンレム睡眠のメカニズム

 

眠りに就いてから、そのあと徐々にノンレム睡眠へと移ります。レム睡眠の持続時間は約10分間です。ノンレム睡眠の最中に、約10分間だけレム睡眠の状態が訪れるという仕組みでサイクルを周期的に繰り返します。

 

レム睡眠は90分周期でサイクルしており、90分後に訳10分間のレム睡眠の状態となり、そのあと90分後に、また10分間のレム睡眠が訪れます。明け方になるとレム睡眠の持続時間が長くなり、10分だったレム睡眠が20分ほど継続します。

 

眠っている時間のうち、レム睡眠に費やす時間は合計で約2時間です。レム睡眠は、睡眠の20%を占める割合で発生します。夜間の睡眠が6時間であれば、そのうち72分がレム睡眠に費やす時間といった計算です(60分×7×20%=75分がレム睡眠に費やす時間)。

 

また、レム睡眠は起床間近の朝方に近い時間帯になるほど発生率が高くなります。レム睡眠中は自律神経の活動が不安定になるため、血圧の変化が激しくなります。そのため、心拍や呼吸の乱れが原因で突然死や、心筋梗塞などの発作につながるおそれがあるようです。

 

仮に、深夜0時(24時)に眠った場合、特に眠りが深いノンレム睡眠の時間帯は、午前1:00~2:00です。その後、約10分間のレム睡眠が訪れ2:00~3:00まで、また深い眠りに入ります。ここまでの流れがノンレム睡眠のステージ4~3となります。

 

2:00~3:00のノンレム睡眠(ステージ3)が終わると、10分間のレム睡眠が訪れます。その後、3:30頃からステージ2のノンレム睡眠へと移りますが、ステージ4ほど深い眠りではありません。

 

5:00~6:00くらいになると、ほぼレム睡眠に近い状態のノンレム睡眠となります。そのため、レム睡眠が持続する時間も徐々に増えてきて、朝方には10分の継続時間だったレム睡眠が20分ほど継続するようになるわけです。

 

■ノンレムステージ4から1にかけて眠りが徐々に浅くなる

■朝方になるとレム睡眠の持続時間が長くなる

■レム睡眠は90分間隔の周期で訪れる

■1回のレム睡眠に費やす時間は約10分間。朝方になると20分継続すようになる

 

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